アメリカでのいい話⑦ 光と影

 アメリカではトランプ大統領が誕生したあと、人種的な問題が再燃していました。しかし、バイデン新大統領が誕生して、やっと修復へと進んでいます。

  私たちが滞在していた時に差別はなかったと言ったら嘘になります。ですが、差別する人がいれば、その差別に立ち向かう人々もいます。そして、その差別に立ち向かう人々を応援する人々もいます。今日は、その差別に立ち向かう人々を応援するアメリカ人の体験話を書きたいと思います。

 

その日は、久々に家族と長距離のドライブに出かけ、のんびりと気ままに北へ北へキャリフォルニアの田舎道をドライブをしていました。小さな湖のところまで来るとちょうどお昼で、近くのウエスタン風のレストランに入りました。そこはテーブルが10席ほどの縦に細長いレストランで、奥に3組ほどのお客さんがいて、私たちは入り口近くの席に座りました。ところが、5分たっても10分たっても、誰も注文を取りに来てくれません。手を挙げてウエイトレスに合図をするんですが、こっちを向くだけで来てくれません。そのうちに、次のお客さんが入ってきて奥の席に座ると、そのウエイトレスはすぐにオーダーを取りに行きました。ちょっと順番が違うじゃないかと思いましたが、もう少し待ってみようと思い、待っていました。そのうちに、うちの息子と同じくらいの子供を連れた家族が入ってきて、私たちの席の少し奥に座りました。そのウエイトレスはまたすぐに注文を取りに行きました。すると、その家族の父親は同じ年頃の子のいる私たちが気になったのでしょう。こちらの方を指さして「あそこにいる家族の注文が取れてないよ」と言ってくれました。そうすると、そのウエイトレスはガムを噛みながら「いいのよ」と笑いながら言いました。それを聞いた父親はそのウエイトレスを呆れた顔をして見ると、何も言わずにスッと立ち、家族にも立つように言って一緒に入口の方に歩いてきました。

そして、私たちに「We're sorry」と言って店を出ていきました。私たちに対するウエイトレスの差別に「NO!」と示してくれたのです。

 

それから、私たちは違うレストランに行きました。今度は日本人でもいいのかと最初に聞いてみました。そうすると、そこの女主人は「当たり前でしょう。なんでそんなことを言うの」と驚いたように聞いてきました。私は前のレストランであった話をすると、「いろんな人がいるからね。でも、この店はだれでも歓迎です」と言ってくれました。そして、帰り際に「この町は良い町よ。何もない町だけど、また来てね」と私たちに言ってくれました。

 アメリカは、あの変なウエイトレスもいる反面、この家族や女主人のような人も大勢います。この人たちは今も健在です。だからアメリカはきっと大丈夫です。